宝来船渠・ドック跡

文化財の看板はあるのだが、どこがドックなのかわからなかった。

(広島県呉市倉橋町)

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倉橋島は名前の通り、安芸群島の島の一つだが、音戸大橋のおかげで車で観光できる。島の観光の中心地、桂浜という海岸に造船所のドックの跡があるというので行ってみた。

そこには倉橋町教育委員会が立てた看板があり「宝来船渠」という造船所のドックの跡だと説明があった。それによると「県重要遺跡」というランクの史跡らしい。初めて聞く名称だ。

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だが、その説明の図とこの船だまりのような場所の関連性がよくわからないのだ。説明文もわかりにくい。どうして文化財の看板って、読みにくい文章が多いのだろうか。やたらに複文になっていたり、句読点が少なかったり、敬体と常体が混在していたりする。何か、知られたら困るようなことでも書いてあるのか…。

もしかしたら昔ドックがあったというだけで、痕跡は残っていないのかもしれない。

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船だまりのような池の一角に、和船が保存してあった。

その昔、倉橋で造船が盛んだったころ、宮島の管絃祭で使う御座船を、毎年新造して奉納していたのだという。御座船は祭のあと払い下げるのだが、縁起がいいということで通常より高値で引き取られたという。

しかし時代が下り、和船が使われなくなり、倉橋の造船業も衰退、御座船の奉納もできなくなり、その技術を伝えるために展示してあるらしい。

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近くには、財崎神社という小さな神社があった。

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桂浜の海岸の景色。

まだ最初の訪問地だというのに、少しダレてきていて、しばらく海岸でぼんやりしてしまった。

瀬戸内らしい穏やかな海岸で、水は澄んできれいだった。夏になれば広島からの海水浴客でにぎわうのだろうか。

(2002年08月29日訪問)