胡堂

映画『時をかける少女』で印象深い辻堂。

(広島県竹原市本町3丁目)

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突然、うそのように雨がやんだ。

もう町並みの北のはずれのあたりまで来ている。桝形で突き当たりになり、アイストップに辻堂が見えてくる。

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この堂は「胡堂(えびすどう)」と言う。

辻堂は一般的には、人家と同じように道ばたの敷地にあるものが多いが、この堂は道路の中心部をふさぐように建っている。

そのため、この街にある他の辻堂にくらべて特に強い印象を与える建物になっているし、実質的に竹原の町並みを、他の重伝建の町並みから際立たせる存在になっていると言っても過言ではない。

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このお堂は、映画『時をかける少女』で、地震で瓦が落下してくる場面で出てくるので映画を見た人ならばすぐに思い当たるだろう。

私の同年代の男性には、この映画の原田知世に熱狂的に入れ込む者が多かった。いまどきの言い方をするなら「原田知世萌え」という感じだ。でも私は、どうしても大林監督の「前衛的な表現をしようとして空回りしてる」感を確信犯的に作っているところが好きになれず、結局、原田知世にもあまり萌えなかった。

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堂の右手には井戸があった。

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桝形の横側から胡堂をみたところ。

造りから言えば、一間社流造である。

一間社流造としてはかなり大きな部類だろう。

(2002年08月28日訪問)