日本すきま漫遊記 稚蚕共同飼育所(赤城南麓) 米野上組稚蚕共同飼育所
米野上組稚蚕共同飼育所
貯桑場の換気のために地面から換気塔が
(群馬県勢多郡富士見村米野)
米野(こめの)は赤城山のすそ野の台地の尾根にそって家並が続く宿場町だ。街道は沼田街道といって、沼田藩主が参勤交代に使用した街道だった。その宿場町の町並みは、遠くから観光に来るようなものではないが、街道をよく見ている人が見れば確実に宿場町だったということがわかる程度の雰囲気は残している。
その町並みが切れるあたりの畑の中に米野上組稚蚕共同飼育所がある。
建物は直線型で、ブロック造。小屋組みは木造だた、屋根は完全に葺替えてあるようだ。
とても長細い建物で、高窓は6つもある。3列型のムロが左右あわせて12基あったことになり、比較的大きな飼育所だったといえるだろう。
地図を見ると「柳内作業所」と表記されている。
工務店かなにかの作業所として使われているようだ。
宿直室は南側で、人が住めそうな感じに改装されている。もしかしたら、今も住んでいるかも知れない。
だが稚蚕飼育所の文字は消されていなかった。
この飼育所の特徴は、南側三間に左写真のような換気塔が地面から伸びていることだ。
これは貯桑場の換気塔だと思われる。
これまでに内部を見ることができた直線型飼育所では、貯桑場は宿直室と挫桑場の直下部分だけに設けられていた。だがこの飼育所では、少なくとも南から三間目にも飼育室部分にも換気塔が付いている。このことから、通路や飼育室の地下にまで広がっていると想定される。
宿直室と挫桑場の下にある地下室では、飼育室の天井はそのまま挫桑場の床なので、地下室と言うよりも穴の上に床を張ってあるという感じだ。だがここのように飼育室の下にまで地下室がある場合は、消毒などの関係で床はモルタルが打ってあるはずで、本当の地下室という雰囲気だったろう思う。
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