飯谷小の時計台

小学校の校庭の神社の中にある時計台。先生が寄贈。

(徳島県徳島市飯谷町杉尾)

徳島県の大きな川は、おおまかにいえば中央構造線などの東西の断層に沿って東流している。

ところが、川は谷を流れ下るだけでなく、時として谷底から尾根の方向へ流れて、山脈を越えて隣の谷へ流れ込むことがある。このような地形を「横谷(おうこく)」または「先行谷(せんこうこく)」と言う。

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GoogleMapsで勝浦川中流域を見ると、笑っちゃうくらいに山脈をぶち抜いている。

徳島市の最南端飯谷町は、先行谷(矢印)にある町だ。

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勝浦川の河原のわずかな平地から深い山が立ち上がる様子は、とても徳島市内とは思えない山里の風情である。

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その飯谷町にある飯谷小学校の校庭には杉尾神社という神社があって、その傍らに時計台がある。

「公立の学校の校庭に神社?それって政教分離を定めた憲法に違反しているのでは?」などと細かいことを言ってはいけない。山里では学校を建てられる平地は限られていて、神社の境内を利用して建設するのが効率的だったのだろう。山間地ではそんな学校は珍しくない。(それにどんなに校庭に神社があるように見えても、さすがに登記上は区分されているであろう…。)

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神社の本殿。

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この時計は現在も機能していて、校庭の児童に時間を知らせるという役目も担っているが、それであれば校舎の側にあってもよいはずである。そのほうが校庭からは見やすいはずだ。この立地はどう見ても神社に付属しているようにしか見えない。材質はコンクリートで、表面はモルタルの洗い出し仕上げ。

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定礎を見ると、昭和47年に先生が寄贈したとあるので古いものではないのだろうが、雰囲気からすると辻時計そのものである。

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校庭には四国の神社によくある大きなクスノキ。

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この神社の境内に滑り台があったので紹介しておこう。

公団型のような無脚の滑り台だ。

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メーカーはタカオ。

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当サイトの分類では開放デッキ無脚型となろうか。

上部の手すりの前方部が鋭角になっていたり、デッキの下部に鉄棒のようにぶら下がって遊べる箇所がある意欲作だと思う。

遊具にはなるべく鋭角がないほうがよいと考えられる。子どもの服が引っかかったりするからだ。だがこのデザインであれば鋭角部分が特に危険につながることはないだろう。

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デッキは縞板の溶接で安定感がある。

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滑り出しのところの握り手は直線的でやや長い。

(2004年06月20日訪問)