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徳島県の東西を横切る吉野川、その南岸の寺社を網羅的にチェックすることにしたのは、徳島に移り住んで身の回りが落ち着いてきたころだった。
県央の名峰、高越山を起点に徳島市方向に寺社をひとつ残らずチェックしてく。徳島県の寺社のレベルや特徴を実感としてつかむためだ。
これはその網羅的なチェックの過程で見つけた時計台である。国実という字の八幡神社の境内にあった。 |

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時計は道路に向かって外向きに設置されている。南側からの道路がT字路の突き当たりになる場所にあるので、とても目立つ。
もっとも、いくら目立つ場所にあっても、自分の目に入ってくるものを理解することができなければ、実際にはものを見ることはできないのだ。
はたしてこの道を通るときにこの時計を認識できる人はどれだけいるのだろうか。 |

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現在でも小さな時計が取り付けてあり、ちゃんと時計台としての機能を果たしている。
かつてはこの穴いっぱいの大きさの時計が取り付けたあったのだろう。
柱部の正面には「國實(国実)青年団」と書かれている。時計の上部には旧日本海軍のシンボルマークが付いており、デザイン的にはきわめて軍国色の強い物件である。 |

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側面には「皇紀二千六百年記念」の文字が見える。土台部分にも海軍のマークがある。
意匠は古典復古様式。全体のバランスも良好で、まれに見る美しい時計台と言えよう。
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表面はモルタルの洗い出し仕上げだが、よく見ると細部に驚くほど細かい細工がされている。
石井町〜吉野川市鴨島の付近にはモルタルによる非常に細かい細工を見かけることがある(下写真参照)が、同じ職人の手になるものなのだろうか。 |

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【参考】
石井町国実地区で見かけた小祠。
流造一間社で、木造と見まがうばかりの写実的な造りである。単に細工が細かいだけでなく、建築的なバランスもいい。
千木や垂木や擬宝珠もモルタルで作られている。あまりに精巧なため、擬宝珠などは触ったらぽっきりと折れそうだ。 |

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【参考】
吉野川市鴨島地区で見かけた小祠のアップ写真。
なんと斗きょうや蟇股までモルタルで作られている。500円玉と比較してみるといかに細かく造られているかがわかる。
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