五流尊瀧院

修験道の総本山は森に埋もれた質素な寺だった。

(岡山県倉敷市林)

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五流尊瀧院(ごりゅうそんりゅういん)。安養寺からは20kmほど離れているため高速道を使って30分かけて移動。  

「修験道」の総本山である。広義で修験道といえばいろいろな宗派があるが、「修験道」という名称で宗教法人登記しているのはこの寺である。

修験道には天台系と真言系があるが、ここは天台系のほうに属する。

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総本山というからどんな凄いところかと思ったが、意外にこじんまりしていて駐車場は3台ぶんくらいしかない。

入るとすぐに茅葺きの庫裏があり、このあたりは庭がよく手入れされていて風情がある。

それにしてもこの寺は、樹木がうっそうとして見渡しがきかない。寺が森のなかに埋もれている感じだ。

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庫裏から石段を登って少し進むと護摩堂がある。

護摩壇の前には役行者の像(鉄造)が立てられていた。

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護摩堂からさらに石段をのぼると本堂がある。なんとも説明しにくい作りなのだが、向拝の部分が八脚門のようになっている。

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本堂は奥が長く、後ろの方は衆寮になっている。左上写真は、左写真では二階の奥の方にあたる。

本堂の裏手には稲荷舎、庚申堂、三方荒神堂、信徒宿泊所などがある。

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信徒宿泊所。

はなれになっている。

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宿泊所のエリアにあった水垢離堂。

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水垢離堂の内部の様子。

ブロックとコンクリート打ち放ちの飾り気のないみすぼらしい建物だ。だがこれを見ていると、修験道は格好ではないという真摯な信仰が感じられる。

(2001年05月01日訪問)