山陽の塔巡り(その3)

 

旅の3日目。午前中は岡山市内を起点にして市内の寺を見学する。そのあと吉備津神社から備中国分寺周辺にかけての定番の吉備路観光。夕方には倉敷市の周辺の寺々を見た。

普通の観光だったら、岡山城後楽園や倉敷の美観地区もコースに入るのだろうけれど、この旅では素通りした。後楽園や倉敷の美観地区はいずれは訪れることもあるだろう。それにたぶん倉敷は十年後に訪れても町並みの美観は今と変わらないだろうし、いや、もしかしたら現在よりももっと古めかしくもっともらしく作り込まれているかもしれない。とにかくそういう永遠不滅のものにはあまり魅力を感じないのだ。

ところで、岡山というところはいろいろな意味で宗教の盛んなところである。黒住教、金光教といった大手の新興宗教や、珍スポットとして有名な鼻ぐり塚のある福田海。そして忘れてはならないのは修験道の総本山もこの地にあるということである。そういった岡山の特徴が、この日訪れた寺のいくつかによく表われていた。普通の寺とどこがどう違うのか具体的に説明するのは難しいのだが、あえて言うなら“神道や修験道と渾然一体となった現世利益的な祈祷を基盤としている”とでも言えばいいだろうか。それが寺の立地や、境内の雰囲気、建物の形態ににじみ出ているのである。3日目の旅ではそんな点に注目していただけたらと思う。

安住院(岡山県岡山市)山の中腹に建つ多宝塔は後楽園の借景になっているという。

普門院(岡山県岡山市)ただひとつ残っている安住院の子院。

国富の中央水路(岡山県岡山市)安住院門前の何でもない住宅地にある。

曹源寺(岡山県岡山市)総門、三門、仏殿、壮大な禅宗伽藍。三重塔も忘れないで。

大光院(岡山県岡山市)曹源寺の塔頭のひとつ。いまでも修行僧がいる。

天台寺(岡山県岡山市)曹源寺の塔頭のひとつ。小さな本堂がある。

吉備津彦神社(岡山県岡山市)大和朝廷によって造営された正規の吉備津神社。

福田海(岡山県岡山市)境内の鼻ぐり塚はかつてウルトラマンAに登場したという。

吉備津神社(岡山県岡山市)国宝本殿と鳴釜神事で有名。でもこれ温羅神社では?

普賢院(岡山県岡山市)吉備津神社の横にある寺。歓喜天を祀る。

最上稲荷の仲見世(岡山県岡山市)アーケードの土産物屋が延々と続く。

最上稲荷(岡山県岡山市)自称、日本三大稲荷のひとつ。正月三が日の人出は岡山一。

最上稲荷奥の院(岡山県岡山市)車で山頂まで登るとさわやかな奥の院が。

龍泉寺(岡山県岡山市)日蓮宗最上教派の総本山。広い宿坊を持つ。

足守の町並み(岡山県岡山市)足守藩2万5千石の陣屋町。蔵造の町家の家並もある。

備中国分寺(岡山県総社市)レンゲ畑の続く田園風景の中に建つ五重塔は絵のよう。

安養寺(岡山県倉敷市)巨大な毘沙門天を乗せた四脚門。境内には万歳歌が流れる。

五流尊龍院(岡山県倉敷市)修験道の総本山は森に埋もれた質素な寺だった。

熊野神社(岡山県倉敷市)神仏分離で五流尊龍院から分れた神社。三重塔がある。

蓮台寺(岡山県倉敷市)かつて金毘羅宮との両参りで繁栄した瑜伽山の寺部分。

由加神社(岡山県倉敷市)かつて金毘羅宮との両参りで繁栄した瑜伽山の神社部分。

慈眼院(岡山県倉敷市)宝島寺の子院のひひとつ。宝島寺の左側にある。

宝島寺(岡山県倉敷市)室町初期とも言われる素朴な八脚門は市指定文化財。

真如院(岡山県倉敷市)宝島寺の子院のひとつ。宝島寺の右側にある。

遍照院(岡山県倉敷市)姿の美しい三重塔。倉敷市の“西の京”と呼びたい。

高瀬通し(岡山県船穂町)かつて高梁と玉島を結んだという閘門式運河の遺構。