福泉寺・観音堂

(岩手県遠野市)

 

本堂へ登る山道の途中にある稲荷大明神。

このあたりまでですでに息が切れてきて、500円払って車で参詣するんだったと少し後悔する‥‥。

さらに急坂を登りきると大観音堂につく。

本堂の前は参道の舗装工事をしていた。

本堂は正面7間の普通の堂に見えるが、実は正面から見えないように、内陣の方の天井が奥に行くにしたがってせり上がっている構造になっている。つまり、内部に入ると外から見たより巨大な空間になっているわけで四次元的なトリック建築と言っていいだろう。

内部には巨大十一面観音がすえられている。観音の高さは17mで木造としては日本一だそうだ。お顔の感じはどことなく仁王門の仁王と共通点がある。福泉寺2世住職が世界平和を祈念して製作したもので、完成まで12年を要したという。

なお、本堂内は禁撮影のため、この写真は後日念写により得たものである。

本堂の左には多宝塔。

昭和57年に建てられたもので、木造。

本堂から参道を下る。

この参道には延々と屋根がついていて、実は私としてはこの屋根に感動してしまった。

夏の暑い日、参拝する人が熱くないようにという配慮なのだろう。こういうストレートな発想は好きだ。

それにこの風景は以前に行ったミャンマーの山寺を思い出す。

ミャンマーの寺では寺域に入ったら裸足にならなければならない。日に焼けた道を長く歩くのは大変なのでこんな日よけが付いている寺が多いのだ。

なんだかこの景色を見ていると、靴を履いて歩いている自分が不自然に思えてくる。

五重の塔のある広場にあった毘沙門堂。

こちらもかなり新しい建物のようで、この寺が次々に伽藍を造営していることがわかる。

五重塔。平成2年の造塔だそうだ。

平面、軒の出にくらべて背の高いシルエットだが、遠野市街方面から遠目に見たときのことを考えているのかもしれない。

木造で意匠もしっかりしており、きちんとした五重塔だ。

遠野の昔話や伝説、古いものを目当てでこの寺を訪れた人々には「何だったんだ、ここは?」という印象しか残らないかもしれない。文化財は何もないのに入場料300円とるというのも一般の人にはちょっと高めだろう。ちなみにこの日私のほかに他の観光客は一人も見かけなかった。

もちろん、私にとっては300円くらいまったく気にならないほどのごきげんな寺であったということを申し添えておこう。