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この寺には「猫檀家」の伝説の一種が伝わっている。
慶長4年、南部藩主信直公の葬儀の際、突然棺が空中に舞い上がったが、当山住職大突和尚が念じたところ棺が戻った。その功績に寺領30石を与えられたという。その際、和尚が可愛がっていた猫が力を貸したので、それに感謝して猫塚を築いたという。
なんか「猫檀家」としては中途半端なストーリーだが、年号や葬儀まで明確にしているのが面白い。また、寺領を賜ったときの証文や猫塚といった証拠物件が残っているということから、ここでは民話というより伝説に近い。
一般的な「猫檀家」とはだいたい次のような民話である。
ぼろ寺の和尚がトラという名前の猫を飼っていた。猫は年をとり、いつか化けるようになっていた。ある晩、和尚にそれを見られてしまい、猫はいとまごいを願い出る。そして、いままでお世話になったお礼に、一芝居打って寺を再興させてやるという。猫が言うのには、近々庄屋の娘が死ぬ。その葬式で、自分が妖力で棺を空中に上げるから、和尚がお経を唱えてそれを降ろせ、というのだった。その時合図として「南無トラや」と唱えろという。やがて猫の予言通り庄屋の娘が死に、葬式で棺が空中に上がって大騒ぎとなる。庄屋は近郷近在の僧侶を集めて読経させるが、棺は下りてこない。他にもう僧侶はいないのか? そう言えば山のぼろ寺にまだ一人いるぞ、ということでぼろ寺の和尚が呼ばれる。ぼろ寺の和尚は適当な経を読んでみせて、ころ合いを見て「南無トラや」と唱える。すると棺が下りて庄屋は大喜び。その後、庄屋はぼろ寺の檀家になり、寺は立派に建て直されたという。
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