日本すきま漫遊記 南関東・小さな旅(1) 成子天神社

     
 

成子天神社

宮司宅の庭にある富士塚。

(東京都新宿区西新宿8丁目)

地図・MAP
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新宿副都心の高層ビル街のすぐ近く、青梅街道の北側に成子天神(なるこてんじん)がある。神社は青梅街道から100mくらい入ったところにあるが、表通りに鳥居が立っているので場所はすぐにわかるだろう。

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参道に5台程度の駐車スペースがある。私は知らないで、近くの100円パーキングに車を入れてしまった。

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境内の入口。こんな高層ビルのふもとに富士塚が残っているというのは意外な感じもするが、境内は表通りの喧騒から離れて静かな雰囲気だ。

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境内に入ってみると、何かヘンだ。以前来たときとまるで雰囲気が違っている。別の神社に来てしまったのか?

よく見ると境内が半分くらいになっているのだ。境内の中央に、ちょっと他所では考えられないくらいの豪華な社務所が新築されており、そこから壁を作って、境内の北半分を封鎖してしまっている。

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悪いことに、富士塚はその遮蔽された北半分にある。よって、近くから見学することはできない。

この日ちょうど新宿区の史跡の写真を撮っているというカメラマンがいて、一緒に社務所に見学を申し込んだのだが、冷たく断られた。

しかもそのときの言いようが、「何の権利があってワタシん家の庭に入ろうとするんだ?」というような迷惑そうな言われようだった。

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豪華な社務所の北面(富士塚側)は、天井に届くような大きな1枚ガラスを何枚を並べた部屋になっているようだ。つまり、宮司の家族にとっては、境内は自分の家の庭、富士塚は庭の築山でしかないワケだ。そんな所に人に入られたら、居間が丸見えで困るじゃないか、ということらしい。

そりゃ、そうだろう。新宿という場所がら、自分の家の庭に見ず知らずの人を入れたくないという気持ち、よ~く、わかる。でもそういうことは宅地並み課税を払ってからやってほしい。私も他人の私邸の庭に入り込もうとは思わないから。

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仕方ないので、左上の富士塚とその山頂の木花咲耶姫(このはなさくやひめ)(?)の神像は、念写したものを載せておく。ちなみに一緒にいたカメラマンも念写していた。

左写真は国土画像情報(国土交通省)より引用したS49年の航空写真である。

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現在の建物の位置はおよそこんな感じ。

周囲にひしめく20~30坪の住宅や旧社務所の大きさと比較して、現在の社務所とその庭がいかに現実離れした空間であるかがわかるだろう。

上の写真に写っているとおりかつて富士塚のあるあたりは細道(私道?)になっていて、神社の裏の通りまで抜けることができた。私が以前に行ったときには富士塚の廻りには危険防止のための柵があって登山できるのは正月や山開きの限られた期間だったが、それでも富士塚を間近に見学することができたのだ。今では境内に入っても富士塚あることすらわからず、区が設置した文化財の看板も庭の中になっていて説明を読むことも許されないというありさまだ。

私は別に寺や神社の土地に高い税金を課して宅地に転用せよ、などと言っているのではない。だた基本的に宗教法人は公益法人だという理由で税制面で優遇されているということを忘れてほしくない。信仰が人々の暮らしに益になるから、その施設や土地に対する税金が減免されているのだ。しかるに境内を私用のために占有して、それが当然のような態度をとっている寺社をたまに(もっともそういう寺社はそう多くなく都内に10ヶ所もないが、)見かけるととても腹が立つ。